マイルポストとは
趣意
このたび、瀬戸市銀座通り商店街内にあり、互いに隣接する「人コミュ事務所」と「学生の店」を一体に、カフェ&雑貨「マイルポスト」として改築し、2002年9月7日にオープンすることになりました。
この「マイルポスト」というカフェ&雑貨のお店は、これまでの人コミュ倶楽部、学生の店、ボランティアセンターでの活動をさらに発展させ、愛知県「商店街共創事業(商店街インターンシップ事業)」の助成を受け、商店街および大学の管理・監督の下で、学生中心による非営利ビジネスを継続的に展開し、地域活性化・まちづくりの拠点となることを目的としています。そして、普段は地域の人々はもちろんのこと、これまで商店街とは縁の薄かった学生・若者も集うことができるおしゃれなコミュニティカフェを目指しています。
現在、名古屋学院大学には、学生サークルが主体となってまちづくり活動に取り組んでいる「人コミュ倶楽部」(2001.4事務所開設)、瀬戸みやげ推奨品を主に扱い非営利ビジネスを実践する「学生の店」(2002.3開店)、大学内にあり組織的なボランティア活動を推進しているボランティアセンター(2002.3開設)という、学生主体のまちづくり・ボランティアに関連したグループが3つ存在しています。どのグループも、それぞれ地域貢献に取り組んでおり、特に、「人コミュ倶楽部」「学生の店」は銀座通り商店街に拠点を構える形で活動を行い、そしてその結果学内外ともに一定の評価を受けてきました。
しかし、人コミュ事務所の利用についてイベント時以外で必ずしも十分な活用ができなかったことや、「学生の店」も十分な収益をあげることができず、ボランティアでの運営を余儀なくされ、継続性という面で困難な状況に直面するといった問題があったのも事実です。
そこで、これまで培ってきた経験と反省をふまえ、まちづくり活動を継続・発展させていくためには、まちづくりというミッションを、ビジネスとうまく結びつけることが重要との認識に至り、それを実現させるために、今回の
愛知県商店街インターンシップ事業に参加することになりました。そのため、このお店は、カフェや雑貨の他に、ミニFM局(人コミュFM86.8MHz)運営や、「人コミュ倶楽部」事務室設置など、まちづくりを推進していくための多機能性のある店舗づくりとなっています。
また、この商店街内での出店にこだわった理由として、この2年近くの活動を通じて培ってきた商店街との信頼関係もあげられます。商店街の方々は、当初からこの地域とは縁もゆかりもない学生達を暖かく迎え、時には厳しく、時には優しく接してくれました。イベント等の協働作業を通じて、いつしか利害関係から信頼関係が感じられるようになりました。
このような信頼関係に応える形で、学生達のなかに、信頼関係を利害関係で恩返しをと、つまりビジネスを通じて活性化に貢献していこうという機運が生まれました。これが、今回の
愛知県商店街インターンシップ事業に参加することになったもうひとつの理由でもあります。
「マイルポスト」とは道標(みちしるべ)の英訳です。「人生とは自分探しの旅」という言葉がありますが、マイルポストでのさまざまな活動が、活動に参加・参画する学生一人一人の目指すべき道の道標になることを期待したいと思います。
2002年9月7日 文責:水野晶夫 マイルポスト世話人(名古屋学院大学経済学部助教授)
コンセプト
Social Hub-皆が集まるcafe-
このお店は、社会(social)の中でのハブ(Hub・中心)的な役割を目指しています。このお店は、地域活性化・まちづくりのミッションを担うことを目的としているので、このお店を中心とした賑わいの創出がねらいのひとつです。
これまで僕たちは、この場所に拠点を求め活動してきた、名古屋学院大学「人コミュ倶楽部」のまちづくり活動、瀬戸みやげもの推奨品を主に扱う「学生の店」によるコミュニティビジネスの実践、大学内にあるボランティアセンター主催による組織的なボランティア活動と活動範囲を広げてきました。
これらはどれも学生主体で地域に密着した活動を展開するグループです。社会貢献活動と自己実現を結びあわせる大変有意義な生き方を学べる場所として、生涯教育、社会教育の視点からも高く評価できます。
この三つの活動にはすでにのべ100名を越える学生が参加しています。そこで、月に1回程度、みんあで語り合うcafeイベントを開催するとともに、専門家をゲストとしてお招きし、有意義な学習・交流も促進していきます。
また、各NPO・NGO団体の情報提供を行ったり、インターネットに接続されたパソコンを数台設置、無料開放し、日本のみならず世界中からの情報に触れたり、交流することができるようにします。
Are You Happy?-幸せについて問いかけるcafe-
とても実存的な質問です。僕たちのこうした関わりを通して育っていく人間達もやがてはこの場所を旅立たねばなりません。しかし、人生は時には困難で、僕たちには、がんばる自分の原点はなんだったのか?を問い直すことが必要な時が訪れるでしょう。そんな時、そうした人々がいつでも戻ってこられる場所として、マイルポストは存在していきたいと思っています。
そこは、それぞれ人生に真摯に向き合う人々の香りが漂うカフェです。今を生きる若者達の足跡(ワークキャンプやまちづくり・ボランティア活動の体験など)や世界で今何が起こっているのか(各団体の情報)ということをつまみにして、おいしい酒を飲む。そんな中から、自分を見つめ直し、自分を確認できるカフェを目指します。
(文責 古橋敬一 マイルポスト店長)
マイルポスト1年の成果と新たな取り組み
名古屋学院大学・学生NPOの経営するまちづくりカフェ「カフェ&雑貨 マイルポスト」が、愛知県インターンシップ事業第1号店としてオープンしてから1年が経ちました(オープンは2002年9月7日)。
マイルポストは、ビジネスという手法を用いて、「まちづくり(地域活性化)」と「自分づくり(自己実現)」という基本理念を実現しようとする非営利活動を推進しています。しかし、その活動は経営的観点からも、また使命感の継続性という観点からも予想以上に難しかった一方で、その困難を乗り越えることでまた一歩前進するとともに、学生達も一段と成長したとの手応えを感じています。
大学としてもその活動に対して、教育的観点から、総合研究所まちづくり研究プロジェクトからの教育・研究支援、非営利活動における財政支援等だけでなく、大学の実践的教育カリキュラムと連携することによって(例えばインターンシッププログラムとしての単位認定、経済学部政策学科「まちづくり公開授業」の実施等)、実学教育のサテライト教室として活用するとともに、監督・指導的立場から関わってきました。
瀬戸・銀座通り商店街も、この間、空き店舗の数が急激に減少し、組合加入件数54件中、2年前の空き店舗が14件から7件に激減(残った空き店舗のうち、すぐに利用可能なものはほとんどない)、通行量が増加(特に土日やイベント・縁日)、そして、今年度より商店街振興組合が「一店逸品」運動を立ち上げました。
カフェとしては、多くの地域の方々に利用され、来客数は1日あたり30~50名程度(土日は平日の約1.5倍)あり、この1年間の年商は800万円を越える水準を達成しました(収支はトントン)。普通の商店の数字としてはともかくとしても、このような学生NPOによるまちづくり事業の売上としては異例の数字です。それだけ本格的にまちづくり活動に関わってきた成果の一つであるともいえます。
マイルポストでは、普段は地域のコミュニティサロンとしてカフェを営業していますが、講演会等のカフェイベントを随時開催しています。また、店舗雑貨コーナーでは、瀬戸みやげ推奨品(瀬戸商工会議所主催)やフェアトレード商品、地元瀬戸の作陶家の作品も販売。イベント時にはミニFM放送を行っているように、多機能性のある店づくりとなっています。
最近では、6月に商店街で1週間寝泊まりしながらまちづくりワークキャンプを企画・実施(32名参加)。8月には、自閉症の中学生の女の子の作品展を開催するなど、活動を発展させてきています。
また、マイルポストでは、瀬戸市教育委員会主催パソコン講座の受講後のフォローアップを、個別指導にも関わらず30分ドリンク一杯(350円)という低価格でこの7月より実施しています。事業規模としてはわずかしかありませんが、多くの市民の方々より気軽に利用され、地域に根付いた活動を展開しています。これは、パソコン講座を企画運営しているNPO法人とのコラボレーションによって行われている事業であり、公益的なビジネスモデルの一例としても注目を浴びています。
さらに、1周年に併せて、これまでマイルポスト雑貨コーナーとインターネット上のバーチャルショップ(http://www.ngu.jp/ngushop/)を手がけてきたクリック&モルタル"学生の店"メンバーが、瀬戸みやげ推奨品制度での取引で知り合った(株)松葉産業との共同開発商品を、この9月のせともの祭りからマイルポストとバーチャルショップにて販売を開始し、数日間で100セットあまりもの販売がありました。
これは、陶製の携帯アクセサリーセットで、伝統的工芸品に指定されている赤津焼に用いられる、織部柚、黄瀬戸柚などの7種類の釉薬『七釉(ななゆう)』に注目し、それを一度に表現させた、学生発想のオリジナル商品です。
伝統的な赤津焼に使用されている七柚と、身近に付ける携帯アクセサリーと融合させることで、より幅広い年齢層に身近に瀬戸を感じていただければと学生達がアイデアを出し合って作った商品であり、"学生の店"での活動および本学政策学科授業科目「コミュニティビジネス実践講座」によってインキュべートされたものです。
このように、まちづくり・自分づくりをテーマとして、サークル・ボランティア活動だけでなく、実学教育の素材として授業・ゼミでの活用、大学研究所の研究活動、さらには産官学連携による公益的なビジネスモデルやインキュべーションプロジェクトなど、マイルポストというカフェを拠点に、様々なまちづくりプロジェクトが相互にリンクする、いわゆるソーシャルベンチャー的な活動によって、地域の活性化に貢献しています。
2003年10月4日 文責:水野晶夫 マイルポスト世話人(名古屋学院大学経済学部助教授)
マイルポスト・プロジェクト終了にあたって
2007年度の名古屋学院大学3学部名古屋移転に伴って、大学監督下の「マイルポスト」は2006年度をもって終了することになりました。
地域の皆様のこれまでのご支援・ご愛顧に深く感謝申し上げます。
主なFAQを以下にまとめました。参考にして頂ければ幸いです。
Q1.なぜ終了するのか
A1.これまでマイルポスト支えていた3学部の学生、教員、そして教育プログラムが名古屋に移転してしまうため。
Q2.無理にでも継続できないのか
A2.このまま継続しても、他の失敗事例と同様、数ヶ月後に崩壊することは十分に予想できる。
むしろ変化に対応した新しい組織で継続発展した方が地域にとっても望ましいと判断したため。
Q3.継承組織はどうのような組織か。
A3.商店街、大学、行政、商工会議所、TMO、地域NPOからなる支援組織(プラットフォーム)を形成し、その支援の元で、新しい事業主体を迎え入れる。
今後はこの新しい事業主体と支援組織の連携によって、新しいマイルポストを作っていく。
新しい事業主体は、地域の方々で検討中。
Q4.今後のスケジュールは。
A4. 12月9日土曜日午後2時より、パルティせと4階マルチメディアルームにて「名古屋学院大学まちづくりフォーラム」を開催。学生による成果報告会の他、行政、関係者によるパネルディスカッションを行い、これまでの成果と今後の課題について検討する。
3月4日に一般営業を終了。3月10日前後にファイナルパーティ(関係者のみ)。
この時を、新しい組織への引き継ぎパーティにする予定。
4月には新しいマイルポストで再オープンの予定。
Q5.大学として活動の意義は。
A5 1.これまで大学の社会貢献は公開講座等が一般的であったが、実践教育との連携による新しい社会貢献のアプローチを示すことができたこと、
2.多くの学生が、実践教育によって社会にコミットできる力をつけることができたこと(これまでの参加学生数200名以上)
3.商店街活性化に対しても、大学等の新しい利害関係者を加えることで、「がんばる商店街77選」に選ばれるなど成果を上げ、活性化の新しいアプローチを示すことができたこと。
Q6.移転先の名古屋では何か計画があるのか。
A6.地域とのいい協力体制ができれば検討してみたい。
(文責:水野晶夫 2006年12月4日)